ベタ焼きとは
ベタ焼き、コンタクトシート、密着焼き、コンタクトプリント。呼び方はいくつかありますが、指しているものはほぼ同じです。 ネガは、明暗が反転したフィルムのことです。そのネガを、光に反応する印画紙に密着させて原寸で焼いたものを密着焼きと呼びます。一本分をまとめて一枚にしたものが、ベタ焼きやコンタクトシートです。 一コマずつ引き伸ばす前に、撮ったものを見渡して焼く一枚を選ぶために作ります。ネガと一緒に保管する索引としても使われてきました。 作り方と読み方を、図とあわせて順に見ていきます。
作る
ネガを印画紙に密着させて、光を当てます。
現像したフィルムを数コマずつに切り、印画紙の上に並べて密着させます。上から、引き伸ばし機の光を一度だけ当てます。引き伸ばし機は写真を拡大して焼く機械で、ここでは光源として使います。 光を当てた直後の紙には、まだ何も見えません。現像液に入れると、ネガの明暗が反転した像が浮かび上がります。 引き伸ばしていないので、コマはネガと同じ大きさで並びます。一本のフィルムが、一枚の紙に収まります。
縁
コマの外側の縁にも、番号と文字が写っています。
フィルムの縁には、製造の段階で番号と文字が焼き込まれています。番号はコマの位置を示す目印です。現像やプリントを頼むラボに一枚だけ焼いてもらうときは、コマのそばに写っている番号で指定します。 35mm では通常、一コマごと、または半コマごとに振られています。ハーフカメラは同じフィルムを半コマずつ使うので、どのコマにも番号が一つずつ付きます。 文字はフィルムの種類、つまり銘柄を示す表記です。同じ銘柄のロールには同じ名前が繰り返し入ります。
中判と呼ばれる120フィルムは、35mm より大きな画面で撮るフィルムです。カメラでフィルムを送るための送り穴はありません。縁には同じように番号と銘柄が入っています。 番号は一定の間隔で振られています。コマの区切りはカメラごとに違うので、カメラによっては番号とコマの位置がずれていきます。 utsushi : 1では、銘柄にあたる U : 1 を大文字で好きな文字に書き替えられ、番号は自動で入ります。
濃さ
一枚全体に、むらのない光を同じ時間だけ当てます。
ベタ焼きでは、一本分のコマを同じ紙に同じ条件で焼きます。コマごとに補正をしていなければ、コマごとの明るさの違いはネガの濃さの違いになります。 薄いネガは光を多く通すので暗く焼け、濃いネガは光をさえぎるので明るく焼けます。他の条件が同じなら、露出の足りないコマは暗く、露出の多すぎたコマは白っぽく並びます。 ネガの濃さは、被写体の明るさと撮影時の露出で決まります。露出とは、撮影のときにフィルムへ当てる光の量のことです。現像の条件や、意図せず全体が濃くなるかぶりでも変わります。 この並びは、そのロールの露出を振り返る材料になります。
印
紙の上に、グリースペンシルという油性の鉛筆で印を描いて選びます。
焼き上がったベタ焼きの上にグリースペンシルで直接印を描いて、写真を選びます。残すコマに◯、外すコマに✕、トリミングしたい範囲を角の括弧で囲む、といった例があります。 描き方に決まりはなく、写真家や編集者がそれぞれの流儀で描きます。印からは、どのコマに目が留まり、どう仕上げようとしたかが読み取れます。 utsushi : 1でも、印は自分の手で描くことができます。
読む
まず一枚全体を見て、それから一コマずつ見ていきます。
ベタ焼きの読み方は、一本分を見渡すところから始まります。 似たコマが続いているところは、たいてい同じ場面を何度も撮ったところです。その中で何が変わったかを見比べて、いちばん良いものを探します。 撮った順は、紙の上の並びではなく、縁の番号と写真のつながりでたどります。 最後に、気になるコマを拡大鏡のルーペで見て、細部を確かめます。utsushi : 1でも、コマを拡大して細部を確かめることができます。